【京都】市営地下鉄 聴覚障害男性の筆談に応じず 身障手帳提示して3度求める

重度の聴覚障害がある京都市左京区の男性(62)が今月10日、市営地下鉄北大路駅で市交通局職員2人にIC乗車券の説明を依頼した際、
身体障害者手帳を示して筆談でのやりとりを3度にわたって求めたのに、職員が口頭で説明し続けていたことが24日、分かった。

障害者差別解消法は行政機関に対し、障害者への「必要な配慮」を義務付けており、市交通局は「配慮に欠ける対応だった」と男性に謝罪した。

男性は10日午後、北大路駅事務室で「スルッとKANSAI 特別割引用ICカード」の新規申し込みについて説明を依頼した。
身体障害者手帳を示し、耳に手を当てながら「聞こえないので、書いてください」と3度口頭で訴えたが、
職員2人が口頭での説明を続けたため、「声だけで説明されても聞こえない」と大声で訴えてようやく、職員は筆談に応じたという。

男性が職員の対応について、文書を交通局に郵送して指摘した。
市交通局の調査によると、対応した40代男性職員2人は、身体障害者手帳の提示は認識していたが口頭での会話が成立すると思い込み、3度にわたる筆談の求めも「聞き取れなかった」と釈明した。

市交通局高速鉄道部は「障害者手帳を示された時点で、その人にどのような障害があるのか、
どういう対応が必要なのかを確認すべきだった」として、当該の職員や上司らが18日、男性に会い謝罪した。

昨年4月施行の障害者差別解消法は、障害者から社会的障壁の除去が必要との意思表明があった場合、配慮を行政機関に義務付けている。
今回の事案を受けて交通局は職員向けに、法を踏まえた対応を徹底するよう求めた。

今回、男性が文書の郵送で職員の対応を指摘したのは、市交通局ホームページには各担当課の連絡先としてファクス番号がなく、電話番号しか記載されていなかったためだ。

京都市は、障害者差別解消法を踏まえた対応要領で「情報へのアクセスのしやすさ」を掲げており、これに反していたとも言え、市交通局は24日になってファクス番号の記載を追加した。

市交通局は「今回の事案は丁寧さに欠けていた。相手の側に立った対応を今後心掛けたい」としている。

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