【岡山】台湾の巨大ダム建設の父 八田與一さん銅像修復を! 岡山学芸館高生が募金

2017.4.26 08:29

 台湾南部で戦前、世界有数の巨大ダム建設を指揮した日本人技師の現地の銅像の頭部が破壊されたことを受け、岡山学芸館高校(岡山市東区)の生徒らが25日、地元のJR西大寺駅前で銅像の修復費用の募金活動を展開し、通勤、通学の市民らがこれに応じた。

 破壊されたのは台南市烏山頭ダムのほとりに設置されている八田(はった)與一(よいち)技師(1886~1942)の銅像。16日朝、頭部が切られているのをダム関係者が発見し、警察に通報。その後、中台の統一を主張する元台北市議の男が犯行を表明して警察に出頭した。

 八田技師は大正9(1920)年から烏山頭ダム建設を指揮。10年かけて完成させ、嘉南平野を台湾最大の穀倉地帯に変えた功績が日台双方で知られている。

 毎年5月8日の命日には傍らに八田夫妻の墓がある銅像前で地元の人々が慰霊祭を営んでおり、台南市の頼清徳市長も像の速やかな修復を指示。「慰霊祭は例年通り行う」としている。

 銅像の損壊を受け、3月に台湾研修旅行を行ったばかりの岡山学芸館高校では、研修で実際に八田與一像や墓を参拝した生徒ら有志約30人が修復費用の「緊急募金」を提案。

 この日は約10人が募金箱や横断幕、のぼりを手に西大寺駅前に立ち、「銅像修復のためにご協力をお願いします」と呼びかけた。

 英語科3年の小川航(わたる)さん(17)は「研修で交流した台湾の人々のために何かしたかった。日台の絆はかえって強くなると思う」ときっぱり。募金に応じた会社員の男性は「東日本大震災の際に台湾から寄せられた巨額の義援金のことを思った」と話していた。

 募金活動は26日も同駅前で午前7時20分~同8時20分に実施。寄付金は日本李登輝友の会を通じて後日、現地に送金される。

http://www.sankei.com/west/news/170426/wst1704260029-n1.html
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