【食】小麦アレルギーでない…「ソルガム」普及へ連携

 小麦の代用品として注目されるイネ科の穀物ソルガム」の普及促進に向けて、信州大学工学部(長野市)が、長野県や長野市、地元企業と連携して「信州ソルガム高度活用研究プロジェクト」を創設した。

 ソルガムは小麦アレルギーの原因物質の一つ「グルテン」を含まないことで知られる。プロジェクトでは、産学官の連携を生かし、アレルギーに悩む人向けのパンやケーキ、麺類などを想定して、新たな食品の開発や商品化を支援していく。

 ソルガムはトウモロコシに似たアフリカ原産の作物で、品種によりモチキビ、タカキビなどとも呼ばれる。栽培がしやすく、食用のほか、飼料やバイオマス発電の原料としても活用できる。長野県内では長野市の西山地区などで栽培されてきた。

 信州大では、2008年頃からソルガムの食品としての可能性に注目して研究を始め、試験栽培や試食会などを行ってきた。昨年11月には、ソルガムを混ぜたご飯や、ソルガムの粉をまぶした信州サーモンのフライを、長野市内の小中学校の給食で試験提供した。

 食品として高く期待できるソルガムだが、品種によっては独特の苦みがあるなど、味にはまだ課題が残るという。プロジェクトでは、味の改善に向けた加工技術の研究にも取り組む。また、今年度中には栽培講習会や収穫体験ツアーなども計画している。

 信州大工学部の産学官連携コーディネーター長を務める、白川達男・特任顧問は「ソルガムの課題を改善し、新たな食材として普及させて、日本で販売するだけでなく、海外にも輸出できるようになれば」と話している。

2017/4/25 14:59配信 読売新聞

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