【大臣失言】「あっちの方」と呼ばれた被災者、怒り・あきれ

 「東北で、あっちの方だったからよかった」。今村雅弘復興相が25日、講演の中でそう語った。無神経な発言に非難が集まり、辞任の意向を固めた。震災では1万8千人を超す死者・行方不明者を出し、6年後の今も約7万人が仮設住宅での生活を続ける。「あっちの方」と呼ばれた被災者からは怒り、あきれる声が上がった。

 「またか、とがっかりした。なぜこんな発言を繰り返すのか」。東京電力福島第一原発がある福島県大熊町から同県郡山市に避難した石田忠文さん(69)は言う。今月4日には、政府の避難指示によらず避難した自主避難者について、「本人の責任」「裁判でも何でもやればいい」と発言して批判を浴びたばかり。石田さんは「被災者の気持ちを何も考えていない。大臣の資質がない」と憤った。

 今村氏は2016年8月3日に就任すると翌4日に福島県庁を訪れ、内堀雅雄知事に「未来への希望。これをエネルギーにしてやっていこうじゃないかと思っている」などと復興への意欲を語った。

 しかし、今年1月、福島市で開かれた福島復興再生協議会の席上、「福島の復興はマラソンにたとえると30キロ地点」と発言。内堀雅雄知事は記者団に「避難指示区域ではまだスタートラインに立っていない地域もある」と反発した。内堀知事は25日夜、今村氏の発言に「被災地の実情を理解していないと言わざるを得ない。復興に向け努力している県民を深く傷つけるもの」とのコメントを出した。

 今月22日、今村氏は宮城県津波被災地、名取市の災害公営住宅を訪れた。石沢みや子さん(75)は発言を聞き、「私たちがどれだけ大変な思いをしたか、知っているのか。どこならよくてどこなら悪いだなんて、失礼だね」と怒りをあらわに。辞任は「当たり前でしょう」。市役所からは大臣が一軒一軒訪問すると言われていたが、日程の都合だったのか、家に来なかったという。「復興の遅れを訴えようと思っていたのに、それも失礼だった」

 震災で800人以上が死亡・行…

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